そもそもSST(ソーシャルスキルトレーニング)とは…
支援学級を担当しているんだけれど、最近、SSTを希望する保護者が多いんですよ。でも、どのように指導すればいいんだろう?
その気持ち、わかります!私は通級指導教室で指導しているけれど、教科学習と違って正直、SSTって何をすればいいのか、すごく悩むんです…。
この前、違う小学校の支援学級でSSTを見学したんですよ。みんなでゲームをしていて楽しそうだったけれど、SSTってこういうことなのでしょうか?
市販されている教材もたくさんあるから、担当の子どもに何をしてあげることが正解かもわからなくなるんですよね…。
まずは「ソーシャルスキル」から説明していこう!
ソーシャルスキルとは、簡単に言えば、環境や人と上手にかかわっていく力、いわば過ごしたい社会に「適応する力」のようなものじゃな。
- 年齢を追うごとに、家庭や学校、職場への影響が大きくなる
- 社会性の苦手さは代替手段では補いづらい
- 進学や就職など、将来の成功や幸福にも大きく影響する
しかし、周囲の言動や行動を見て、成長とともに自然に必要なスキルを学ぶことが苦手
だから、早い時期から大人社会に向けて、あえて学ぶ時間と場所が必要
信頼できる指導者から教わり、子ども同士でも学び合いながら、大人社会に向けてソーシャルスキルを学ぶ=SST(ソーシャルスキルトレーニング)
ソーシャルスキルは絶対に学ぶ必要がある?
この前、保護者から質問があったんですよ。
「うちの子は発達障がいがあって、対人関係が苦手なんです。苦手なことも練習すべきなんですか?」って。
よく「子どもの得意なことを伸ばしましょう」って研修会では教わりますよね。「苦手なことを得意にすることは難しいから。」って。
指導をしていて、子どもにとってどうすることが一番よいのか、とても悩むんですよね。
わかります。正解がわからないというか、誰にも正解がわからないような気がして。自分のやり方が合っているのか、自信がなくなる時があります。
「ソーシャルスキルの必要性」について説明していこう!
とてもよい気づきじゃな。SSTが必要かどうかは以下のように考えることもできるんじゃ。
重度の障がいなどで、周囲からの手厚い支援を受けて生きていく場合、一番必要になるのは「ライフスキル」じゃな。身辺自立をはじめ、生活の中で自分でできることを増やすことが大切になってくるんじゃ。
「ライフスキル」に「アカデミックスキル(知識、語彙、読み書き、計算など)」の学びが加わると、情報を比較することや自分にお得な情報を探すことができ、上手な生き方ができるようになるんじゃ。
もしも、進学や一般就職などで、より理解されない世界で生きていくことを求める場合は、「ソーシャルスキル」も学ぶことが必要じゃ。そうすることで、一定の社会の中で学ぶことや働くことができ、進学や就職での選択肢の幅が広がるんじゃ。
子どもの特性や能力、生活環境や進みたい未来によって、学ぶべき内容は変わる!
ぼくが担当している子どもは発達障がいがあるけれど、中学や高校に行きたい希望もあるから、ソーシャルスキルを学ぶことで、選択肢の幅も広がるんですね。
苦手なソーシャルスキルを得意にするというよりも、できることや考え方が増えることで、未来の可能性も増えるということなんですね。よくわかりました!
ソーシャルスキルを獲得しづらい理由は…
発達障がいやグレーゾーンの子どもたちはどうしてソーシャルスキルが苦手なんだろう?
確かに…。そう考えると、私も昔、学校の「道徳」では似たようなことは学びましたが、あえてソーシャルスキルを学ぶ経験はわかったわ…。
成長の中で自然に「ソーシャルスキル」を獲得しづらい理由は…
発達障がいの子どもたちは以下のような理由から、ソーシャルスキルの獲得が苦手な場合が多いんじゃ。
人への興味や関心が強まると、ソーシャルスキルが伸びやすくなるんじゃ。なぜなら、ソーシャルスキルは人から学ぶことが多いからな。
だからソーシャルスキルって、小集団で学ぶことも大切なんですね。
以前、教えていた子に友だちができた時、人の気持ちを考えることや、勝ち負けよりも一緒に遊べることが楽しいって思うようになったのは、そういう理由もあるのね。
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